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INTERVIEW
名医インタビュー
2025.09.30
内科
神経内科
神奈川

パーキンソン病から頭痛・認知症まで寄り添う神経内科の名医
【宇根隼人先生/横浜神経内科・内科クリニック】

まさてる散歩〜あなたの街の頼れるクリニック訪問〜
宇根隼人先生

京急弘明寺駅から徒歩5分の場所に位置する「横浜神経内科・内科クリニック」。パーキンソン病、認知症、頭痛、てんかんなどの神経疾患をはじめとして、風邪、コロナウイルス感染症、インフルエンザ、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの内科的疾患にも対応しています。また、初診当日にMRI検査ができることに強みをもっています。今回は理事長兼院長の宇根隼人先生に、医師を志したきっかけや、患者さんに対する想いについて伺いました。

理想を追い求めて、医師の決断と横浜での新たな挑戦

横浜神経内科・内科クリニック

____先生が、医師を目指されたきっかけについて教えてください。

多くの人は、身内が病気になったことがきっかけで医師を目指すと思うのですが、私の場合は少し違います。子どもの頃、風邪をひいて病院に行くと、聴診器を胸に当てられるのが不思議でならなかったんですね。両親は医師ではなかったのですが、「一体何をしているんだろう?」と尋ねたところ、「よくわからないから、気になるなら自分でなってみたら?」と言ってくれたのです。この一言で、医師を目指すようになりました。

____なぜ脳神経内科を選んだのでしょうか?

医学部で様々な診療科を学ぶ中、特に脳の不思議な点に惹かれました。脳神経外科と脳神経内科で迷いましたが、将来家庭を築きたいという思いもあり、患者さんとじっくり向き合える脳神経内科を選びました。学生時代に神経内科を志したときと、実際に医師になってからとでは、やはり違いを感じましたね。神経内科は、他の内科と比べても専門性が非常に高く、ある意味「独立した診療科」と言えるかもしれません。一般内科の先生方から見ても難しいと言われる分野なので、この道を選んでよかったなと改めて感じています。

難病の患者さんを診るようになってからは、できることの限界を常に意識しています。難病に指定されているということは、何かをすれば完治するという病気ではないということ。生涯にわたって病気と向き合っていかなければならない患者さんに対して、「自分は一体どこまで力になれているのだろうか」というのは今でも自問自答している部分ですね。

____クリニック開業までどのような経緯があったのでしょうか?

私が開業を決意したのは、自分が理想とする医療を追求したかったからです。大学卒業後、医局でさまざまな病院を経験する中で、勤務医のままでは自分が本当にやりたい診療ができないと感じ始めました。特に、所属していた九州大学の医局関連病院ではあまり経験できなかった筋疾患を学ぶために上京し、専門的な知見を深めたことが、開業への決意を固めるきっかけとなりました。

開業にあたっては、患者さんがいる状態で始められる承継開業を選択。縁のなかった横浜で新規開業するよりも、患者さんをスムーズに引き継ぐ開業の方が、より地域に根ざした医療を提供できると考えたからです。幸いにも、関東で神経内科の引き継ぎ先を探しているクリニックは少なく、今のクリニックとの出会いが、理想の医療を実現する第一歩となりました。

初診当日にMRI検査、その日のうちに診断が可能

横浜神経内科・内科クリニック

____先生の専門分野について教えてください。

当院では、前院長から引き継いだパーキンソン病の患者さんが多く、この分野に特に力を注いでいます。現時点では、パーキンソン病は残念ながら完治する病気ではありません。そのため、症状の進行を抑え、患者さんが少しでも快適な生活を送れるよう、きめ細やかな治療を行うことが重要です。神経内科の診療は、一人ひとりにじっくりと時間をかける必要があるため、診察に30分ほどかかることも珍しくありません。

また、当院では頭痛や認知症の診療にも力を入れています。特に「頭痛外来」では、女性に多く見られる片頭痛をはじめ、さまざまな頭痛に幅広く対応しています。さらに「もの忘れ外来」にも積極的に取り組み、横浜市の「もの忘れ検診」にも対応しています。横浜市南区には認知症専門医が少数しかいないため、この地域において当院の役割は非常に大きいと考えています。

____初診当日にMRI検査を受けることができます。

当クリニックの強みの一つは、MRI検査を診察当日に受けられることです。働き盛りの方にとって、改めて予約を取って後日来院するのは大変な負担だと考えていますので、その日のうちに診断を確定できることは大きなメリットだと思っています。

また、MRIの騒音や閉塞感が苦手な方もいらっしゃるため、音を抑えた「オープンMRI」を導入しています。一般的なMRIと比べて音がかなり静かで、閉塞感も少ないのが特徴です。音の大きさも、パチンコ店の騒音より静かな程度ですので、MRIの騒音が苦手な方でも安心して検査を受けていただけますね。

____どんな時に医師としてのやりがいを感じますか?

手が震える、歩きにくいといった症状で来院され、パーキンソン病と診断された場合、患者さんは「治してほしい」と期待されています。しかし、パーキンソン病は残念ながら完治する病気ではありません。病名を伝えると、「なんだ、治らないのか……」とがっかりされてしまうことも少なくないのが現実です。

しかし、クリニックだからこそできるきめ細やかな治療を提供することで、患者さんの生活の質を向上させることにやりがいを感じています。例えば、当クリニックでは、必要に応じて1、2週間に一度通院して頂き細かい薬剤調整が可能です。これは大学病院などの大きな病院では対応が難しいことが多いです。一人ひとりの患者さんと向き合い、症状の変化に細やかに対応することで、病気と長く付き合っていくためのサポートをしています。

地域の声に耳を傾け、ともに歩むクリニックへ

宇根隼人先生

____地域の患者さんへの想いについて教えてください。

地域に貢献していきたいという思いはとても強いです。そのために「意見投書箱」を設置しているのですが、まだ1通しか入ったことがなくて(笑)。患者さんには遠慮なく「こうしてほしい」と書いていただき、その声に応えられるようなクリニックにしていきたいですね。

私は広島出身で、大学時代は九州で過ごしました。横浜は縁のない土地でしたが、住んでみるととても過ごしやすい場所だと感じています。都心にも近い一方で、都心ほどごちゃごちゃしておらず、落ち着いた雰囲気も持っています。この地で地域の一員として、少しでもお役に立ちたいと考えています。

____最後に、この記事をお読みの患者さまへメッセージをお願いします。

患者さんと向き合う際に最も心がけているのは、「この方は何を求めていらっしゃるのだろうか」という点です。医師の一人よがりにならないよう、患者さんの言葉に耳を傾け、そのご要望をできる限り汲み取るように努めています。パーキンソン病だけではなく、頭痛やもの忘れなどについてお困りでしたら、まずはお気軽にご相談ください。

宇根隼人先生
<プロフィール>
横浜神経内科・内科クリニック/
院長 宇根隼人(うねはやと)

2010年に九州大学医学部卒業後、九州大学病院、九州厚生年金病院(現:JCHO九州病院)、飯塚病院、国立病院機構大牟田病院、国立精神・神経医療研究センター (NCNP)を経て、医療法人神癒会 横浜神経内科・内科クリニックを承継開業し、現在に至る。

<専門分野>

神経内科 内科

<資格>

日本神経学会専門医 日本認知症学会専門医・指導医 日本臨床神経生理学会専門医 日本頭痛学会 日本脳卒中学会 日本内科学会認定内科医

<所属学会>

日本神経学会 日本認知症学会 日本臨床神経生理学会 日本頭痛学会 日本脳卒中学会 日本内科学会


問い合わせ
045-712-3366

横浜神経内科・内科クリニック
公式ホームページ:https://yokohama-neurology.com/


取材日: 2025年8月21日