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INTERVIEW
名医インタビュー
2025.10.30
整形外科
神奈川

慢性の痛みと骨粗鬆症の緩和を目指す、整形外科の名医 【渡邉 順哉先生/イノルト整形外科】

まさてる散歩〜あなたの街の頼れるクリニック訪問〜

JR藤沢駅から徒歩2分の場所に位置する「イノルト整形外科 藤沢院 痛みと骨粗鬆症クリニック」。腰痛や肩こり、関節痛などの慢性的な痛みをはじめとして、スポーツ外傷、骨粗鬆症の治療や予防に対応しています。また、理学療法士によるリハビリテーションと、骨粗鬆症の専門的な検査・治療を行っています。今回は統括院長の渡邉 順哉先生に、医師を志したきっかけや、患者さんに対する想いについて伺いました。

偏差値39からの挑戦。反抗期と友人の一言が変えた道

____先生が、医師を目指されたきっかけについて教えてください。

両親が開業医で、小さい頃から「医者になりなさい」と言われて育ちました。しかし反抗期に入ると、「なんで親の言うことを聞かなきゃいけないんだ」と反発し、勉強もしなかったのです。当然、成績も学年で下から2番目でした。高校生になった頃、姉が教員免許を取ったことに影響を受けて、自分も小学校の教員になろうかな、と考えていました。

 

ところが高校2年の時、留年した友人に久しぶりに偶然会ったとき「親が医者なのにもったいない」と言われたのです。その言葉を聞いて、親に敷かれたレールには乗りたくないという理由だけで、医者という選択肢を除外するのは、たしかにもったいないことだと気づきました。

またその頃、3つ上の兄が同じ高校から2浪して医学部に受かったのを見て、「自分も頑張れば医学部に行けるのでは?」と思いはじめました。そこで担任の教師に、「浪人したとしても、2年間で医学部を目指す」と宣言し、偏差値39だったところから必死に勉強しました。実際に医学部に入れたときは、「頑張ればできるんだ」という人生で最も大きな成功体験になりました。

_____診療科のなかでも、整形外科を選んだのはなぜでしょうか。

整形外科医を志した背景には、二つの大きなきっかけがあります。一つは、父が整形外科医であったことです。幼い頃から骨折を繰り返してはその姿を見ていたことが、医療へ関心をもつようになりました。

 

そしてもう一つ、決定的な出来事が大学時代にありました。当時、私は空手に熱中し、練習中に相手の足を骨折させてしまいました。その方は入院と手術が必要となり、しばらく職場が大変困ったと伺いました。強い自責の念と申し訳なさを感じるとともに、「今度は自分が、怪我をした人を治す側の人間になろう」という思い、整形外科医になることを決めました。

 

実際に研修医として整形外科の現場に立った時、そこにはスポーツ系の部活のような一体感と活気がありました。命に直結する場面は少ない一方で、患者さんが機能を取り戻していく過程を支えるポジティブな雰囲気が、私にはとても合っていると感じました。

 

____先生の考える、症状改善に向けた医療とは何でしょうか。

整形外科の治療というと、痛み止めや湿布の処方をイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それだけでは症状が改善しないケースも少なくありません。なかなか治らずに、痛みを我慢してしまう方が全国にたくさんいると感じています。

 

当院では、理学療法士による治療を土台にしています。痛みのほとんどは、姿勢の悪さや柔軟性、筋力の低下が原因です。これは手術では治せないので、理学療法士がきちんとと姿勢改善や筋力改善を伝え、一緒にやっていくことがとても大事です。

 

見過ごされる国民病。「骨粗鬆症」こそ予防が重要

____骨粗鬆症を放置すると命にかかわると聞きましたが、その点についてはどのようにお考えでしょうか?。

骨粗鬆症は検診率が非常に低く、現状では国民の関心が低い問題です。例えば神奈川県では約5%にとどまり、がん検診の40~50%と比較すると、その差は歴然です。

 

しかし、骨粗鬆症を放置して大腿骨を骨折すると、5年生存率が一部のがんよりも低いというデータがあるほど、これは命に関わる重大な健康問題です。

 

女性は閉経すると女性ホルモンが激減する影響で、放っておけば骨は弱くなっていく方がほとんどです。早急に発見し、適切に対処すれば、骨折の多くは防ぐことができます。悪くなってからではなく「未然に対策はできる」という予防の知識を、もっと知ってほしいです。

 

患者様との対話を重視し、一人ひとりに寄り添う

____患者様と向き合う上で大切にしていることを教えてください。

「この方の症状を改善するために、何をしてあげるのが最適だろうか」というのを、常に考えます。そして、具体的な治療そのものだけではなく、患者様ご自身がご自身の状態を理解し、治療に臨む気持ちを支えることも大事だと思っています。

 

私は患者さまに「諦めてください」とはできる限り言わないようにしています。関わった以上は、「この先生のところに行って良かったな」と思ってもらいたい。そのために、当院でできることはもちろん、必要であれば他の医療機関での治療選択肢やその探し方まで、分かる情報は提供します。

 

____最後に、この記事をお読みの患者さまへメッセージをお願いします。

父のクリニックを継いだ時、経営が傾いていました。そこから、症状の根本的な改善を目指す医療を実践するためにゼロから作り変え、今、分院が増えてきました。

 

分院が増えることで、症状が改善していく患者様が増えていく。それが世の中への貢献になっていると感じられ、やりがいになっています。今後はこれを全国に広げ、一人でも多くの痛みに悩む方々の力になりたいと思っています。

<プロフィール>
イノルト整形外科/渡邉 順哉

2011年に東邦大学医学部卒業後、横浜医療センターでの初期臨床研修を経て、横浜市立大学附属市民総合医療センター整形外科、神奈川県立汐見台病院 整形外科を経て平成横浜病院 整形外科医長、渡辺整形外科 副院長を経て、2019年に藤沢駅前順リハビリ整形外科に名称変更し院長就任、2024年イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック統括院長に就任。

<専門分野>

整形外科 リハビリテーション科

<資格>

日本整形外科学会専門医 日本骨粗鬆症学会認定医 日本整形外科学会認定スポーツ医 日本整形外科学会認定リウマチ医 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター 日本医師会認定健康スポーツ医

<所属学会>

日本整形外科学会 日本骨粗鬆症学会


問い合わせ

0466-25-3812

イノルト整形外科

公式ホームページ:https://inoruto.or.jp/
取材日: 2025年10月21日