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INTERVIEW
名医インタビュー
2025.11.30
内科
東京

患者を照らすエネルギッシュなドクター【藥師寺 忠幸先生/ウェルネストクリニック】

まさてる散歩〜あなたの街の頼れるクリニック訪問〜

渋谷駅ハチ公口から徒歩0分、スクランブル交差点の目の前に位置する「ウェルネストクリニック」。平日は夜22時まで、土日も診療を行い、眠らない街・渋谷で働く人々や若者の健康を支えています。院長の藥師寺先生は、防衛医大出身で循環器の専門医という硬派な経歴を持ちながら、医師である前に社会に役に立つ一人のおじさんのつもりですと自身で表現されるほど親しみやすいお人柄で、日々診療にあたっています。今回は藥師寺先生に、医師になられた経歴や診療哲学をお伺いしました。

迷いから確信へ。流れに身を任せて選んだ医学の道

____先生が医師を目指された経緯について教えてください。

叔父が循環器の医師でしたので、昔から「医師の仕事はやりがいがあるぞ」と、すすめられていました。一方で私の父はまったく畑違いの工学部の出身でした。父の血を受け継いだのか、私自身も昔からガジェットが大好きでエンジニアのような道も考えてはいたのですが、無名の地方の県立高校から防衛医大に合格したことを運命と感じ、医師としての道を歩むこととなりました。学生時代は寮内のネットワークをLANケーブル繋いで構築したり、先輩のパソコンをパーツを組み合わせて自作するような「メカ好き」で、医師になった後もITに強いドクターとして、先輩方によく使われていましたね。今、過去を振り返ると、医師になったことでいろんな可能性が開けたように感じています。

____循環器内科を選ばれたのはなぜですか。

学生時代に見たカテーテル治療の現場に惹かれたからです。ダイナミックに動く心電図を見ながらチーム一丸となってスピーディーに治療を行って患者さんを救い、朝6時に治療を終えて「よし、今日も明るいな!」と朝日を浴びる先輩たちがかっこよかったんですね。

計算で答えが出る明快さと、リアルタイムで結果が出るスピード感が、自分の性格に合っていたんだと思います。患者さんから「命の恩人」と感謝されることも、大きなやりがいでした。

____開業に至るまでの経緯もユニークだと伺いました。

転機はニューヨークへの研究留学でした。現地で「大分県人会インターナショナル」を立ち上げ、現地に住んで長い人から、駐在の社員、研究職の方など様々な方と交流する中で、医師という枠にとらわれない生き方の面白さに気づいたのです。帰国後はビジネススクールに通ったり、医療機器メーカーで働いたりと、好奇心を原動力として多様な経験を積みました。

その後、コロナ禍で仕事が減った時期は、思い切って家事や育児を主に担う生活をしていました。日々子供の送り迎えをしたあとに走ったり泳いだりしていた時期に、偶然、共同経営者となる方と出会い、この渋谷の場所で一緒にやっていかないかとチャンスをもらいました。

「スクランブル交差点の目の前で診療したらいろんな可能性がありそうだ」と感じ、コロナの真っ最中というリスクを取ってオープンし気づいたらもう4年です。最近ではスクランブル交差点のスタバ(TSUTAYA)で毎月お茶会を主催したり、渋谷の人のためのアプリ(MABLs)に登録してリアルイベントに参加したり、いち渋谷民としてこの街での生活を楽しんでいます。年に一回の渋谷のお神輿にも出るようになりました。

患者さんと対等な関係で相談に乗る診療

____先生の診療スタイルについて教えてください。

私は患者さんとはすぐに打ち解けることが多い人間です。旧来のコミュニケーションでは医師は気難しい顔をして患者さんの目を見ないようなスタイルでしたが、僕は会話のキャッチボールを重視しています。病院にいる時は白衣を着て医師の役割を演じていますが、白衣を脱げば、気さくな一人の人間です。形式ばった対応が苦手な方でも、私には気軽にご相談いただけるのではないかと思います。

渋谷という土地柄、働く世代はもちろん、若い方の性感染症の相談も多いですね。そうした若い患者さんは神妙な顔をして来院しますが、私はにこやかに「大丈夫ですよ、適切な治療を受ければ改善します」「またお困りの際はいつでもどうぞ」と声をかけるようにしています。

ちょっと前の講演会で、「人は『くう・ねる・あそぶ』ができていることが大事」と聞き、深く納得した記憶があります。疲れている若者には、このような話も交えながら、病気の回復だけでなく、日々の生活やこれからの人生を充実したものにしてほしい、とエールを送っています。

薬は「健康貯金」。患者さんに寄り添う存在でいたい

____診療の中で大切にされている考え方を教えてください。

患者さんには、薬を飲むのは「健康貯金」だよ、と伝えています。毎日貯金箱に100円を入れるように、薬を飲むことでちょっとずつ病気になるリスクを後ろ倒しにし、将来の健康な時間を延ばしていくのです。かつては動脈硬化の成れの果てと戦っていたからこそ、予防策を講じることの重要性を患者の皆様には理解してほしいと思っています。

以前のように救命の現場で劇的に感謝されることはありませんが、当時と比べ大変多くの患者さんを外来で拝見し、その方達の日常を支えていることに誇りを持っています。最近はダイエット外来にも力を入れています。ダイエットに挑戦している方が、以前と比べて格段に健康になり、人生が変わっていく姿を見るのは本当に嬉しいですね。

____最後に、先生の理想の医師像をお聞かせください。

私は患者さんにとっての「ボタ電」でありたいと思っています。落ち込んでいる患者さんや健康に悩む患者さんに、会うだけで勇気や元気をチャージできる存在でありたいですね。

「先生に会うと元気が出る」と言ってもらえるのが一番の喜びです。これからも渋谷の街で皆さんのお役に立てるよう頑張っていきたいです!

<プロフィール>
ウェルネストクリニック/院長 藥師寺 忠幸(やくしじ ただゆき)

2001年 防衛医科大学校卒業(航空自衛隊医官)、2008年 昭和大学横浜市北部病院心臓血管カテーテル室、2010年 米国コロンビア大学医療センターリサーチフェローなどを経て、2021年にウェルネストクリニックを開業、現在に至る。

<専門分野>

循環器内科 総合内科

<資格>

医学博士 日本内科学会 総合内科専門医 日本循環器学会 循環器専門医 日本心血管インターベンション治療学会 認定医

<所属学会>

日本内科学会 日本循環器学会 日本心血管インターベンション治療学会


問い合わせ

03-6732-6000

ウェルネストクリニック

公式ホームページ:https://wellnest-clinic.jp/



取材日: 2025年11月12日