地域に根ざす総合診療の名医
【齊藤 純先生/さいとう内科クリニック】

大阪府高槻市西冠、地域住民の健康を10年以上にわたり支え続けている「さいとう内科クリニック」。院長の齊藤 純(さいとう じゅん)先生は、大阪大学医学部を卒業後、泌尿器科・腎臓内科の専門医として大学病院や基幹病院で高度な医療に携わってこられました。その経験を礎に、「もっと患者さん一人ひとりと向き合い、総合的に健康をサポートしたい」という思いから、地域のかかりつけ医として開業。専門分野の深い知識と、プライマリ・ケア(総合的な初期診療)の幅広い視点を併せ持ち、丁寧な対話を重視した診療を行っています。今回は、地域医療への熱い想いを胸に診療にあたる齊藤先生に、医師を志したきっかけや、専門医からかかりつけ医へと至った経緯、そして地域への思いなどを伺いました。
家族の闘病体験が原点、患者に寄り添う医師を目指して
____先生が医師を目指されたきっかけについて教えていただけますか?
齊藤 純先生:私が医師になりたいと思った最初のきっかけは、家族が病気になったことです。入院や通院に付き添う中で病院に出入りする機会が多く、そこで実際に医師の仕事ぶりを目の当たりにしました。その中で、やはり病気で困っている人を助ける、そういった仕事に関われたら素晴らしいな、という思いが芽生えました。
____その時の主治医の先生との関わりも影響しましたか?
齊藤 純先生:そうですね。家族の主治医だった先生は、病状や治療について非常に丁寧に説明してくださいましたし、親身になって診療していただきました。その姿を見て、自分も将来、このような形で患者さんに寄り添える医師になりたい、と感じたことを覚えています。
____ご家族に医療関係者はいらっしゃったのですか?
齊藤 純先生:いえ、そういうわけではありません。純粋に、自身の体験を通して医師という仕事に魅力を感じました。
専門医から地域のかかりつけ医へ、総合的に患者を診るために
____先生は大学卒業後、泌尿器科や腎臓内科の専門医として大学病院などでご活躍されていました。そこから、なぜ地域のかかりつけ医として開業されようと思ったのでしょうか?
齊藤 純先生:勤務医時代は、泌尿器科や腎臓内科といった自身の専門分野の患者さんを中心に診療していました。専門性が求められる環境では、当然ながら専門外の疾患については他の科の先生にお任せすることが多くなります。それはそれで重要な役割分担なのですが、診療を続けるうちに、「もっと患者さん一人ひとりの全体像を把握し、総合的に健康をサポートできるような関わり方がしたい」という思いが強くなっていきました。
専門分野の知識を活かしつつも、特定の臓器や疾患だけでなく、その方の生活背景や他の健康問題も含めてトータルで診ることができる、いわゆる「かかりつけ医」としての役割に魅力を感じるようになったのです。そこで、よりジェネラルに、幅広く患者さんを診ることができるクリニックを開業しようと考えました。
____開業の地に高槻市を選ばれたのは、何かご縁があったのでしょうか?
齊藤 純先生:いえ、実は特別な縁があったわけではないんです。たまたま、知り合いの方からこの場所で良い物件があると声をかけていただいたのがきっかけです。
____開業されたのはいつ頃ですか?
齊藤 純先生:2014年の2月ですので、もう10年以上になりますね。
患者の背景まで理解し、ニーズに応える診療を
____クリニックには、どのようなお悩みを持つ患者さまが多く来院されますか?
齊藤 純先生:やはり一番多いのは、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の患者さまですね。いわゆる「かかりつけ医」として、日常的な健康管理で通院されている方が中心です。ただ、私の専門が泌尿器科や腎臓内科ということもあり、腎臓の病気や排尿に関するお悩みなどで、少し遠方からわざわざ来てくださる患者さまもいらっしゃいます。専門的な診療を行っているクリニックは、この地域ではそれほど多くないので。
____日々の診察で、先生がとくに大切にされていることは何でしょうか?
齊藤 純先生:患者さまが何を目的に来院されたのか、何を求めていらっしゃるのか、それをしっかり汲み取ることです。そのために、できる限り丁寧にお話を聞くように心がけています。単に症状を聞くだけでなく、その方の家族構成や生活環境、お仕事のことなど、いわゆる「生活歴」といった背景情報も含めて、可能な限りお伺いするようにしています。
____患者さんの背景まで詳しく聞かれるのですね。
齊藤 純先生:はい。病気というのは、その方の生活と切り離して考えることはできません。背景を理解することで、よりその方のニーズに合った、個別化された診療を提供できると考えています。限られた時間ではありますが、その中で最大限、患者さんの声に耳を傾け、対話をすることを大切にしています。
____先生のクリニックの雰囲気や特徴について教えてください。
齊藤 純先生:特別に凝った内装などはありませんが、清潔感を保ち、患者さんが安心して過ごせるような環境作りを心がけています。スタッフも、患者さん一人ひとりに丁寧に対応するよう努めています。
専門知識を活かした総合診療と、早期発見への貢献
____先生は泌尿器科、腎臓内科、透析、プライマリ・ケア、がん治療認定医など、多くの専門医・認定医資格をお持ちですが、日々の診療ではどのように活かされていますか?
齊藤 純先生:基本的には、内科全般を診るプライマリ・ケア医としての立場で診療していますが、やはり泌尿器科や腎臓に関する疾患については、より専門的な視点で診断・治療を行うことができます。生活習慣病などで通院されている患者さんの中に、腎機能の低下や泌尿器系の異常が隠れている場合もありますので、そういったサインを見逃さないように注意深く診察しています。
____医師として、やりがいを感じるのはどのような瞬間でしょうか?
齊藤 純先生:日々の診療の多くは、慢性疾患の患者さんの状態を安定させるための地道な管理が中心です。その中で、例えば高血圧で通院されている患者さんの診察中に、何か普段と違う兆候に気づき、詳しく検査をした結果、がんなどの悪性の病気を早期に発見できた時などは、やはり大きなやりがいを感じますね。「先生のところで診てもらっていて良かった」と言っていただけると、かかりつけ医として患者さんの健康全体を見守る中で、専門外の領域でも貢献できたのかな、と嬉しく思います。
____まさにかかりつけ医としての重要な役割ですね。
齊藤 純先生:そうですね。早期発見・早期治療に繋げられるよう、常に幅広い視点を持って診療にあたりたいと考えています。
地域との連携を力に、高槻での10年
____開業されて10年以上経ちますが、高槻という地域で診療されてきて、いかがですか?
齊藤 純先生:高槻市は、大阪医科薬科大学病院をはじめ、高槻病院など、規模の大きい病院がいくつかあり、医療機関が充実している地域だと思います。当院で対応が難しい症例や、より専門的な検査・治療が必要な場合には、これらの病院とスムーズに連携できる体制が整っています。自分のクリニックだけで抱え込まずに、適切なタイミングで専門機関にお願いできるというのは、診療を行う上で非常に心強いですし、患者さんにとっても安心材料になると思います。そういった意味で、非常に診療しやすい環境だと感じています。
____地域に対する思いに変化はありましたか?
齊藤 純先生:開業当初は、もちろんゼロからのスタートでしたから、まずは地域に根付くことに必死でした。10年という年月を経て、徐々に地域の皆さまに認知していただき、頼っていただけるようになる中で、自然とこの地域への愛着も深まってきましたね。これからも、この高槻という地域で必要とされる医療機関であり続けたい、地域の方々の健康に少しでも貢献できれば、という気持ちは年々強くなっています。何か困ったことがあった時に、「あそこのクリニックに行けば大丈夫」と、気軽に相談していただける存在になれたら嬉しいですね。
____先生の温かいお人柄が伝わってきます。患者さんも安心して通院できそうですね。
齊藤 純先生:そう思っていただけると幸いです。
____一般的な診察の流れについて教えていただけますか?
齊藤 純先生:まず受付で保険証の確認や問診票のご記入をお願いします。順番になりましたら診察室にお呼びし、まずは患者さまから、どのような症状で、いつから困っていらっしゃるのか、詳しくお話を伺います。先ほどもお話ししたように、現在の症状だけでなく、これまでの病歴や普段の生活習慣、ご家族のことなども、可能な範囲でお聞きします。
その後、必要に応じて、血圧測定や聴診、腹部の触診などの身体診察を行います。さらに詳しい検査が必要と判断した場合は、血液検査や尿検査、心電図検査などを院内で行ったり、必要であれば連携している病院に画像検査などを依頼したりすることもあります。
診察や検査の結果を総合的に判断し、診断と治療方針について、患者さまにご理解いただけるよう、丁寧に説明します。お薬が必要な場合は処方箋を発行しますし、生活習慣の改善が必要な場合は、具体的なアドバイスもさせていただきます。より専門的な治療が必要と判断した場合は、適切な連携病院へご紹介状を作成します。最後に、次回の受診日などを相談して診察は終了となります。疑問や不安な点があれば、診察のどのタイミングでも、遠慮なくお尋ねください。
____最後に、この記事をお読みの患者さまへメッセージをお願いします。
齊藤 純先生:体調が悪い時、あるいは健康診断などで何か気になる点があった時、どの診療科を受診すれば良いか迷うことがあるかもしれません。当院は、内科全般から、私の専門である泌尿器科・腎臓内科領域まで幅広く対応しておりますので、「まずは相談してみよう」という気持ちで、気軽に来院していただければと思います。
必要であれば専門の医療機関への橋渡しも含めて、皆さまの健康を総合的にサポートさせていただきます。地域のかかりつけ医として、皆さまが安心して日々の生活を送れるよう、これからも努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

院長 齊藤 純(さいとう じゅん)
大阪大学医学部卒業後、大阪大学医学部附属病院、大阪府立急性期・総合医療センターなどで泌尿器科医として研鑽を積む。その後、腎臓内科、総合診療科などでも経験を重ね、幅広い診療能力を培う。専門医としての高度な知識と、地域医療への熱い思いを胸に、2014年、大阪府高槻市に「さいとう内科クリニック」を開院。プライマリ・ケア認定医・指導医として、生活習慣病から専門領域の疾患まで、患者一人ひとりの背景にまで目を向けた、丁寧で総合的な診療を提供している。
内科 泌尿器科 腎臓内科
日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医 日本医師会 認定産業医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 日本腎臓学会 専門医 日本泌尿器科学会 専門医 日本透析医学会 専門医 身体障害者福祉法指定医(じん臓機能障害・ぼうこう又は直腸機能障害) 日本メンズヘルス医学会 テストステロン治療認定医
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取材日: 2025年4月25日