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行かない方がいい整形外科の特徴5選|専門医が徹底解説

肩こりや腰痛、関節の痛みなどで整形外科を受診する人は多いですが、「どこに行っても同じ」と思っていませんか?実は、整形外科によって診療の質には大きな差があります。なかには、レントゲンだけ撮って湿布を出すだけのクリニックも存在します。

この記事では、整形外科専門医が解説する「行かない方がいい整形外科の特徴5選」と、良い整形外科を見分けるポイントを詳しく紹介します。後悔しないために、受診前に知っておきたいチェック項目を確認しておきましょう。

行かない方がいい整形外科の特徴とは?

痛みを抱えて整形外科を受診したのに、「レントゲンを撮って湿布だけ出された」という経験をした人は少なくありません。整形外科にも、患者の症状に真摯に向き合う医師がいる一方で、形だけの診察で終わってしまうクリニックも存在します。ここでは、実際に整形外科医が指摘する「行かない方がいい整形外科の特徴」を5つ紹介します。

レントゲンだけで診断を終えるクリニック

整形外科で最もよくあるのが「レントゲンを撮って異常なし。では湿布を出して終わり」という対応です。レントゲンは骨の異常を確認するには有効ですが、筋肉・靭帯・神経といった軟部組織の損傷までは写りません。そのため、痛みの原因がレントゲンに映らないことも多く、MRIや超音波検査などを組み合わせて診断する必要があります。それにもかかわらず、追加検査を提案せず表面的な処置で済ませるクリニックは要注意です。原因を突き止める姿勢のある医師を選ぶことが大切です。

電気治療だけの“なんちゃってリハビリ”を行う

リハビリを行っていると言いながら、実際は電気治療や温熱療法だけで終わるクリニックもあります。これらは「物理療法」と呼ばれるもので、一時的に痛みを和らげる効果はありますが、失われた機能を回復させる「リハビリテーション」とは異なります。本来のリハビリは、理学療法士が筋力や可動域を回復させるために、患者一人ひとりに合わせた運動療法を行うものです。電気だけの治療に頼るクリニックでは、根本的な改善が期待できません。理学療法士が常駐しているかどうかを確認しましょう。

整形外科専門医の資格を持たない医師が診療している

整形外科には「日本整形外科学会認定専門医」という資格制度があります。これは一定の研修と試験を経て、整形外科としての知識と技術を認められた医師に与えられる資格です。専門医でない医師が診療している場合、疾患の見落としや治療方針の誤りが生じるリスクもあります。もちろん、専門医でなくても経験豊富な医師はいますが、初めて受診する際の判断基準としては、専門医資格の有無を確認するのが安心です。日本整形外科学会の公式サイトで検索できるので、受診前に調べておくと良いでしょう。

手術や高度な治療を提案しない体制になっている

整形外科は保存療法(薬やリハビリ)だけでなく、手術という選択肢も提供できる診療科です。しかし中には、手術を提案しない方針のクリニックも存在します。これは「手術をすると患者が通院しなくなる」「コストがかかる」といった経営上の理由による場合もあります。薬や電気治療で改善が見られない場合は、外科的治療や専門病院への紹介が必要になるケースも多いものです。患者の症状に応じて最適な治療を提案してくれる医師こそ、信頼できる整形外科といえるでしょう。

治療方針の最終判断を患者に丸投げしてしまう

整形外科でよくあるのが「Aの治療とBの治療があります。どちらにしますか?」とだけ言われ、専門家の意見が示されないケースです。もちろん患者の意思を尊重することは重要ですが、専門的な知識がない一般の患者に丸投げするのは無責任です。良い医師は、それぞれの治療法のメリット・デメリットを丁寧に説明し、そのうえで「私は専門家としてこちらをおすすめします」と明確に提案してくれます。患者任せではなく、信頼関係を築こうとする姿勢があるかどうかを見極めることが大切です。

良い整形外科を見分けるポイント

整形外科を選ぶときは、「何を基準に選べば良いのか分からない」という声が多く聞かれます。実際には、クリニックの規模よりも、医師の姿勢やスタッフの専門性、治療方針の一貫性が大切です。ここでは、信頼できる整形外科を見分けるための3つのチェックポイントを紹介します。

専門医資格の有無を確認する方法

まず注目すべきは、整形外科専門医の資格を持っているかどうかです。「日本整形外科学会専門医」は、一定の研修期間と試験を経て認定される公的資格で、全国の整形外科医の中でも限られた人数しか取得していません。この資格を持つ医師は、骨・関節・筋肉・神経の幅広い疾患を体系的に診られるため、診断や治療の精度が高い傾向にあります。日本整形外科学会の公式サイト(https://www.joa.or.jp)で名前を検索すれば、専門医リストを確認できます。初めて受診するクリニックでは、まずこの確認を行うと安心です。

理学療法士が在籍しているかチェック

整形外科の治療で大切なのは「リハビリ体制」が整っているかどうかです。理学療法士(PT)が在籍しているクリニックでは、症状に合わせた運動療法や姿勢改善など、根本的な改善を目指すリハビリが受けられます。一方で、電気や温熱だけの物理療法しか行わない場合、痛みの一時的な緩和にとどまることが多いです。ホームページでスタッフ紹介を見たり、受付で「理学療法士の方はいらっしゃいますか?」と確認するのがおすすめです。医師と理学療法士が連携して治療計画を立てているクリニックほど、改善率が高い傾向があります。

手術連携・検査体制の整っているかを見極める

良い整形外科は、自院で対応できないケースにも適切に対応できる“連携力”を持っています。MRIやCTなどの高度な検査設備が整っているか、あるいは近隣の総合病院や大学病院と連携して紹介体制があるかを確認しましょう。また、症状が長引く場合や重症化が疑われる場合に、手術という選択肢を提示できるかも重要です。「薬とリハビリだけでは改善しない場合、どのような対応をしてもらえますか?」と質問してみると、そのクリニックの姿勢が分かります。紹介をためらわず最善の治療を提案する医師は信頼できます。

受診前にチェックしたい質問リスト

整形外科を選ぶときは、ホームページや口コミだけで判断するのではなく、実際に医師やスタッフに質問してみることが重要です。質問の仕方ひとつで、医師の対応や診療姿勢が見えてきます。ここでは、初診時に確認しておきたい質問を3つ紹介します。これらを聞くことで、信頼できる整形外科かどうかを見極める参考になります。

診察時に確認すべき3つの質問

まずは「この痛みの原因は何が考えられますか?」と具体的に聞いてみましょう。ここで、レントゲン結果だけを根拠に説明する医師は注意が必要です。良い医師は、姿勢・筋肉・生活習慣など多角的な要素を考慮して説明してくれます。次に「今後どのくらいの期間で改善が見込めますか?」と質問すると、治療計画の見通しが明確かどうか分かります。最後に「治療の選択肢は他にありますか?」と尋ねることで、提案力のある医師かどうかを判断できます。患者の理解度に合わせて説明してくれるかも重要なポイントです。

リハビリ内容を聞くときのポイント

リハビリを受ける前には「どんな内容をどのくらいの頻度で行いますか?」と尋ねましょう。ここで「電気を当てます」だけの説明しかない場合は注意が必要です。理学療法士による個別の運動療法があるか、痛みの原因を改善するプログラムが組まれているかを確認しましょう。また、「家庭でできるストレッチや運動を教えてもらえますか?」と聞くのも効果的です。自宅でのセルフケアを重視してくれる整形外科は、再発予防にも力を入れています。受け身の治療ではなく、一緒に回復を目指す姿勢のあるクリニックを選ぶことが、結果的に治療の質を高めます。

まとめ

整形外科はどこも同じように見えて、実は診療の質に大きな差があります。レントゲンだけで終わる、電気治療しか行わない、専門医がいない、手術提案をしない、患者任せにする。これらはいずれも避けるべき特徴です。一方で、専門医資格を持ち、理学療法士が在籍し、手術や検査体制が整っているクリニックは、根本的な改善を目指す治療を提供してくれます。受診前にいくつかの質問を準備し、医師の姿勢や説明の丁寧さを確認することで、安心して任せられる整形外科を見つけられます。信頼できる医師との出会いが、回復への第一歩です。