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INTERVIEW
名医インタビュー
2025.07.28
耳鼻咽喉科
埼玉

大正時代から続く医院の名医
【若山貴久子先生/若山医院 眼科耳鼻咽喉科】

まさてる散歩〜あなたの街の頼れるクリニック訪問〜

JR浦和駅西口より徒歩2分の好立地にある「若山医院 眼科耳鼻咽喉科」。大正時代から100年以上の長きにわたって地域に愛される医院では、4代目となる姉妹のお二人が、耳鼻咽喉科と眼科をそれぞれご担当されています。今回は、耳鼻咽喉科専門医として院長を務められる若山貴久子先生に、医院を継ぐことになった経緯、耳鼻咽喉科診療にかける情熱、そして医院を支える地域の患者さまへの思いについて詳しくお話を伺いました。

家族の温もりを力に、浦和で紡ぐ父と姉との医療物語

____先生が医師を目指されたのは、ご実家が眼科医院であることが大きかったのでしょうか?

それもありますが、小さい頃の私は体が弱かったんですよね。今はかなり健康になりましたが、当時は風邪を引いては高熱を出して、小児科や耳鼻咽喉科にしょっちゅう通っていました。子ども時代はずっと「診てもらう側」だったので、大人になったら「診る側」になりたいと思ったのです。小さい頃から医師になりたいという思いが強かったですね。病気がちで体力面の心配はあったものの、なんとか頑張ってみようと、一念発起して医学部へ飛び込みました。

____ご実家は代々眼科だそうですが、先生はなぜ耳鼻科へ進まれたのでしょうか?

もともとは眼科医になるつもりでした。大学5年まではその気でいましたが、実習で耳鼻咽喉科を回ったら「この科すごく面白いかも……」と惹かれてしまいました。耳鼻咽喉科は耳・鼻・喉に加えて首までを広範囲に診ることができ、内科的治療はもちろん外科的治療もできる科です。携われる範疇が広いし、やりたかった手術もできるし、当時の私にとっては理想の科でした。姉が眼科に進んだことも、後押しになりましたね。

____医院を継いで院長となられた経緯について教えてください。

耳鼻科に進んだので、当初は実家を継ぐことは考えていませんでした。医師になって10年ほど経った頃、自分の今後を考えました。ちょうどその時期、父が体調を崩してしまったんですね。家族に相談したところ「眼科と一緒に耳鼻科もやろうよ」という話になりました。

嬉しかったです。生まれ育った浦和の医院で、父や姉と一緒に働けるなんて、これほど心強いことはありません。そこから父とは1年ほど一緒に働いて、世代交代で院長を引き継ぎました。

「たかが鼻づまり」は危険信号!お子さんの集中力・成長を守る耳鼻科医からのメッセージ

____現在、先生がとくに尽力されている治療はありますか?

開業してから一貫して力を入れているのは、保育園に通い始めたお子さんの治療です。保育園に通い始めたお子さんは、環境が変わって頻繁に風邪をひきます。そこから中耳炎を起こすことはよくありますが、小児科だけで済ませて、耳鼻咽喉科を受診されないケースが多くありますね。春に入所し、5月あたりで突然症状がひどくなるお子さんが一定数いらっしゃいます。

小児科の先生も耳を診ることはできますが、実際の処置は耳鼻咽喉科の医師しかできません。治りきらないままだと当然悪化します。耳鼻咽喉科はマイナーで馴染みがない方も多いですが、保育園に通い始めた時期はとくに注意していただきたいですね。少しでも気になることがあれば耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。耳鼻科の重要性は繰り返し保護者のみなさまへお伝えしています。

____最近はアレルギー性鼻炎のお子さんも増えているようですね。

お子さんは「自分がどういう状態か」分かりませんし、違和感があってもなかなか言葉にできません。アレルギー性鼻炎のお子さんも、自分の鼻の不調を自覚していないことがよくあります。学校健診で鼻をすすっているお子さんに「この症状はいつからですか?」と聞くと「ずっと前からです」と答えました。つまり不調が日常化してしまい、自分の鼻が悪化していることに気づいていないのです。

よくニュースで報じられますが、「花粉症の時期は企業の生産性が下がる」と言われます。鼻水が出たり、鼻が詰まったりすると集中力が低下するからです。それはお子さんも同じで、勉強中も部活中も気が散りますし、睡眠の質が悪くなって成長ホルモンの分泌にも影響します。口呼吸になると、感染症にかかりやすく、歯列も歪みやすくなります。たかが鼻炎と軽くみられがちですが、実はマイナス要素が多いのです。

お子さんに薬を処方すると最初は嫌がられますが、次の診察時には進んで薬を飲む子も結構いらっしゃいます。「薬を飲んだから楽になった」と感じてくれているんですね。自分の不調に気づくことは病識の芽生え、治療の第一歩です。こうした経験を通じて、自分の体を大切にするお子さんが増えるのはとても嬉しいことですし、耳鼻咽喉科医になって良かったと感じる瞬間でもあります。

曽祖父の開業から111年、家族で繋ぐ医院の歴史

____先生が患者さまと向き合う際に心がけていらっしゃることはありますか?

コミュニケーションの使い分けには注意しています。耳鼻咽喉科の患者さまは年齢層が幅広く、下は0歳の赤ちゃんから、上は90歳以上まで全年代がいらっしゃる科です。お子さんでしたら理解しやすい言葉選びをするとか、ご年配の方でしたらゆっくり大きく会話するとか、年代によって伝わりやすくするため日々努力しています。

また耳鼻咽喉科は、痛みなどの症状を訴える初診の患者さまが多い科です。信頼関係を築けていないほぼ初対面の方が、全体の半数ほどいらっしゃいます。同じ内容の話をしても一方では喜ばれて、一方では気分を害されるようなこともあります。できるだけ目の前の患者さまに合わせて、臨機応変に対応するよう心がけていますね。

____浦和の地で長く親しまれる貴院ですが、地域の患者さまへの思いについて教えてください。

当院は曽祖父が大正3年に開業し、今年で111年目になります。患者さまの中には「おじいさまに診てもらったことがありますよ」と声をかけてくださったり、お子さんやお孫さんを連れて来院してくださったりする方もいらっしゃいます。そんなときは地域の方々に長らく支えていただいた歴史に思いを馳せます。非常にありがたいことですね。

また、浦和は子育て中の若いファミリー層に人気があり、緩やかに人口が増加している地域、少子化時代とは言え、比較的お子さんの数が多い街です。学校医としても携わりながら、私は耳鼻科医、姉は眼科医として、さいたま市内の子どもたちの健康を守っていきたいと考えています。

____最後に、この記事をお読みの患者さまへメッセージをお願いします。

アレルギー性鼻炎や花粉症といった鼻の不調、中耳炎やめまいといった耳の不調があると、人はなかなか本領を発揮できないものです。こうした不調をしっかり治療しておくことで、その人本来の力が戻り、仕事や学業にも生き生きと取り組みやすくなります。

「どうも最近は鼻がつまって寝苦しいな」「なんだか耳が痛いな」などの違和感があるときは、ぜひ当院へいらしてください。治療を通じて患者さまの快適な日常をサポートさせていただきます。

<プロフィール>
若山医院 眼科耳鼻咽喉科/
院長 若山 貴久子(わかやま きくこ)

帝京大学医学部医学科を卒業後、帝京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科教室に入局。その後、鹿島記念病院、西新井病院、帝京大学医学部附属溝口病院にて臨床経験を積む。2014年、若山眼科医院に耳鼻咽喉科を併設し、若山医院眼科耳鼻咽喉科に名称を変更。耳鼻咽喉科医として地域医療に貢献しながら、浦和医師会理事、日本女医会埼玉支部理事、さいたま市内耳鼻科学校医としてもご活躍中。

<専門分野>

耳鼻咽喉科

<資格>

日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会耳鼻咽喉科専門医 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定補聴器相談医

<所属学会>

日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会 日本耳科学会 日本頭頚部外科学会 日本女医会


問い合わせ
048-822-2250

若山医院 眼科耳鼻咽喉科
公式ホームページ:https://www.wakayamaiin.jp/

取材日: 2025年7月8日