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INTERVIEW
名医インタビュー
2025.07.31
整形外科
兵庫

笑顔あふれる診療室の名医
【小林恵三先生/小林整形外科クリニック】

まさてる散歩〜あなたの街の頼れるクリニック訪問〜

JR東海道本線「甲南山手駅」より徒歩1分という好アクセスの「小林整形外科クリニック」。院長を務められる小林恵三先生は、「一診療一笑い(いちしんりょういちわらい)」をモットーとされる明るいお人柄で、診療に訪れる患者さまを笑顔に変えていらっしゃいます。ラジオ番組でコメンテーターを務めたこともある気さくな小林恵三先生に、医療の道を歩まれたきっかけ、診療する上で重視しているポイント、神戸市東灘区への思いなどをお伺いしました。

「兄のために」医者を志し一度は断念 それでも医師の道を選んだワケ

____先生はどうして医師になろうと思われたのでしょうか。

小学校6年生の文集に「医者になりたい」と書いたことがあります。僕が医師になろうと思ったのは、生まれつき体が不自由な兄を見ていたからです。令和の今とは違い、当時は、まだ障がい者への差別的な空気が漂っていた時代でした。

「世の中の空気を変えたい。ハンディを負った人も活躍できる、みんなが当たり前にそう思える世の中にしたい

そんな決意が僕の中で目覚めました。それだけではなく、兄の体のことで色々言う人もいて、それを跳ね返すために医者になろうと思ったのです。

____順風満帆に医師への道を歩まれたのでしょうか?

上手くいかないのが人生です。高校生になった僕は、医師を目指せる学力はあったし、国立大学に行けばお金の問題もクリアできる、と思っていました。けれど当時の僕は、精神的にかなりデリケートでした。

医療は万能じゃありません。どれだけ力を尽くしても亡くなる人はいます。だけど、人が亡くなったらやっぱり悲しくなります。

「果たして、その悲しさを引きずりながら診療を続けられるのだろうか?」

17歳の僕には医学合格後や医師になって直面するであろう状況に自分が適切に対処できる人間なのか自信がありませんでした。有名大学の理系学部を受験、合格したものの、自主的に浪人生になりました。でも浪人生活の中で色々と考えたのです。

医者になりたいと願っても、誰もがなれるわけではありません。その点、自分にはその機会があるのだから、挑戦してみようと覚悟を決めました。一方で、もし医者を辞めるような事態になっても困らないよう、アルバイトをしてM-1の賞金に匹敵するほどの金額を学生時代に貯蓄しました。

テレビドラマで話題になった『白い巨塔』のような、理不尽な状況に直面する可能性も妄想しました。しかし、信念を曲げるくらいなら、いつでも「辞めてやる!」と言える状態にしておきたかったのです。幸いなことに、そのような窮地に陥ることはありませんでしたが。

____医師への強い気持ちが蘇り、開業まで考えるようになったのはどのような理由からでしょうか?

以前から予防医療をやりたいと思っていました。最近は医療費の問題が取り沙汰されていますが、はじめから病気にならなければ医療費もかかりませんし、患者さまも元気でいられます。しかし、総合病院や大学病院は病気の治療がメインです。予防医療としては範囲が限られてしまうでしょう。そこで、ある程度自由に診療メニューを組めるように、開業の道を選びました。

痛みも不安も吹き飛ばす!笑顔あふれる「一診療一笑い」クリニックの秘密

____クリニックの診療内容について教えてください。

クリニックには整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科があります。スポーツ外傷をはじめとする捻挫や骨折、慢性的な腰痛や肩こり、関節リウマチ、痛風、骨粗しょう症などに取り組んでいます。外反母趾や巻き爪関連の「足と靴の専門外来」と睡眠や肩こり関連の「枕の専門外来」も行っているのが特徴です。後者は山田朱織枕研究所と提携しています。

____診療の際は、どういったことを重視されていらっしゃいますか?

僕は「笑いと診察の融合」を掲げていて、楽しい雰囲気で診療できたら、と常々思っています。開業したての頃は「病院で笑わせるなんてけしからん、不謹慎だ」という空気が一般的ではありました。

しかし患者さまは「どんな先生かな、どんな病院かな」と緊張や不安を感じながら来院されます。それなら、ひとまず気持ちだけでもリラックスしてもらいたいんです。骨折して来られた患者さまは不便な生活をしていますが、診療の中でちょっとでも笑顔になって、心が晴れてくれたらいいですよね。

 

「先生みたいになりたい!」その一言が医師の原動力。患者と歩む治療の道

____どうして東灘区での開業を選ばれたのでしょうか。

実は、東灘区は僕の地元ではありません。あえて自分と関係ない場所を選んだ方が己の真価を問えると思いました。最初は「あんた誰?」と言われるようなアウェイの地で開業したかったんです。

当初は片道1時間かけてクリニックに通っていましたが、今は徒歩5分の場所に住んでいます。周辺の方はみんな僕の顔を知っているので、朝のウォーキングや買い物のときに声をかけられることもしばしばです。そうやって親しんでもらえると、やっぱり心が温かくなりますね。地域の行事や医師会にもなるべく顔を出して交流を楽しんでいます。

____地域で治療や予防に関する啓蒙活動もされています。

整形外科だけではなく、様々な診療科の先生や機能性表示食品製造企業の方に登壇していただき、患者さま向けの講演会を開催しています。面白い例として、映画「エンディングノート」の監督に登壇していただいたこともありますね。

地域の方が興味を持って講演会に来場し、病気予防について知っていただけたら、皆さんの健康を少しでも守ることができます。「持つ者の心得」と言うと大げさですが、医者になった以上は世のためになることをやりたいと考えています。

____医師としてやりがいを感じる瞬間は、どんな時ですか?

それは10年くらい前のことでした。小学生の男の子が、僕のような医者になりたいと言ってくれたのです。iPS細胞の山中先生のような人なら憧れる子もたくさんいるかもしれません。でも、僕に対しても、そんなことを言ってくれる子がいるのは、やっぱり嬉しいですよね。頑張って夢を叶えてくれたらと思って、その記憶は印象に残っています。

____最後に、この記事をお読みの患者さまへメッセージをお願いします。

医者は治療の流れをよく分かっていますが、患者さまはそうではありません。先行きが分からず不安になられることがないよう、治療方針をしっかりとお伝えした上で「今日はここまで治療が進みましたよ」と進捗もお話するよう心がけています。

コミュニケーションは良い治療のはじめの一歩。僕がいろいろお話して、クスッと笑ってもらい、患者さまの緊張や不安を解消できれば何よりです。クリニックの診療はもちろん、講演会にもぜひ気軽に立ち寄ってみてください。一人でも多くの方に楽しんでもらい、同時に健康や病気の予防のことを知ってもらえたら、僕としてもハッピーです。

<プロフィール>
小林整形外科クリニック/
院長 小林 恵三(こばやし けいぞう)

1994年に神戸大学医学部を卒業。明石成人病センター(現がんセンター)、神戸大学医学部附属病院、神戸労災病院、三菱神戸病院、国立加古川病院(現江南病院加古川病院)、神鋼加古川病院に勤務して研鑽を積んだのち、2008年に神戸市東灘区にて小林整形外科クリニックを開院。整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科の外来診療に加え、「足と靴の専門外来」「枕の専門外来」といったユニークな診療を提供している。近著に「整形外科医だから教えられる心と身体がラクになる〝快眠”テクニック(游藝舎)。インタビュー記事が掲載された「一流の研究者たちが教える快眠の科学」(日経BP)はAmazonベストセラー第1位獲得。2011年医療業界で初となる、ジャパンタイムズ次世代のアジアのCEO100人に選出される。有名人、著名人も多数登場する動画サイト「覚悟の瞬間」において週間視聴ランキング男性No. 1獲得。

<専門分野>

整形外科 リウマチ科 リハビリテーション科

<資格>

医学博士 日本整形外科学会認定専門医

<所属学会>

日本整形外科学会


問い合わせ
078-412-2177

小林整形外科クリニック
公式ホームページ:https://kobayashiseikeigeka.net/
You Tube:https://www.youtube.com/watch?v=DrAgL38qAIk

取材日: 2025年7月17日