名古屋市・中切町に位置する「中切パークサイドクリニック」。その名のとおり、大きな公園のすぐ近くにあり、2023年にリニューアルされたばかりの清潔感あふれるクリニックです。皮膚科・内科・眼科の3科が連携し、地域の方々が「ここに来れば何とかなる」と感じられる総合的な診療体制を整えています。今回は皮膚科を担当する山東先生に、医師を志したきっかけや、診療で大切にしている「手当ての心」について伺いました。 「目の前の患者を助けたい」医師一家の強い絆 ____先生が、医師を目指されたきっかけについて教えてください。 両親が医師なので、医療は幼いころから日常の風景の一部でした。私自身も進路を考える年齢になったとき、ごく自然に医師という道を選んでいました。「医院を継ぐぞ」と力むより、気がつけば「ここに立っている」という感覚に近いですね。両親の背中から学ぶことは今も多く、日々の診療の判断や、患者さまへの向き合い方の軸になっています。 ____皮膚科を選ばれた理由をお聞かせください。 学生のとき、神経線維腫症(レックリングハウゼン病)の患者さんに出会ったことがきっかけです。神経線維腫症は、遺伝性で、皮膚にボコボコとした腫瘤ができやすいという特徴があります。そうした見た目の変化は生活や気持ちにも直結するんですね。「皮膚に現れる症状は、からだだけではなく、心にも深く影響する」と実感しました。皮膚科は「外から見えるサイン」を手がかりに、患者さまの毎日と気持ちに寄り添える科です。以後ずっと、迷いなく皮膚科を志してきました。 ____現在はご家族でクリニックを運営されているそうですね。 両親が開業したこのクリニックを、現在は夫が院長として継いでいます。私は皮膚科、夫は内科、母は眼科を担当しています。診療科はそれぞれ異なりますが、「目の前の患者さまを助けたい」という思いは同じです。 家族で働く利点は、何より連携がとても自然なことですね。「この方、眼の症状もありそうだから見てください」「内科的なフォローをお願いします」と、その場で声を掛け合いながら診療を進めています。それぞれの専門を生かして協力できるのは、家族ならではの強みだと思います。 患者さまにとっても、同じ場所で複数の診療科を受けられることが安心につながります。 内科と皮膚科、眼科と皮膚科を同日に受診される方も多く、移動の負担が少なく済むのは大きなメリットです。「家族のチーム医療」という形で、これからも地域の方々を支えていければと考えています。 「皮膚の情報」を見逃さない。皮膚科医が徹底する五感を活かした診療 ____診療で大切にしていることは何でしょう。 母に教えられた言葉ですが、「手当て」は「手を当てる」と書きますよね。感染の心配がない場合は、できるだけ実際に触れて診ます。視診だけでは分からない皮膚の厚みや硬さ、触れる深度や印象など、手から入る情報は沢山あります。 そして何より、そっと触れられること自体が患者さんの安心感につながることがあります。「初めて触って診てもらいました」と驚かれることもありますが、緊張や不安が和らいだとおっしゃる方は多いです。もちろん過度に触れるわけではありません。お声がけをしながら、必要な最小限・最適な距離で、丁寧に行うことを心がけています。 ____専門性のアップデートはどのように? 皮膚科学会・アレルギー学会の学会誌にはすべて目を通しています。時間が合えば学会の総会にも参加して、現場の空気や最新の議論に触れます。皮膚科は新しい外用薬・内服薬・生物学的製剤などの選択肢が増え続けていますので、情報収集は欠かせません。 大切にしているのは、「新しいから使う」ではなく、「この方に合うかどうか」を丁寧に見極めることです。患者さまの生活や希望、既往歴などを踏まえ、過不足のない治療をご提案します。 子どもの頃からのご縁も大切に。地域密着型クリニックが掲げる「どの世代にも寄り添う医療」 ____地域(名古屋)への思い、今後の目標をお聞かせください。 名古屋は生まれ育った大切な場所です。学生時代に他県で暮らしたこともありますが、この街の空気や人の温かさは特別だと感じます。患者さまの中には、私が子どもの頃から家族ぐるみでお付き合いのある方も多く、そのつながりの中で医療を続けられることは、本当にありがたいことです。 この地域は、住宅地として落ち着いた雰囲気がありながら、子育て世帯からご高齢の方まで幅広い世代が暮らしています。それぞれのライフステージで必要とされる医療は違いますが、「どの世代にも安心して通ってもらえるクリニック」でありたいと思っています。 これからも、慣れ親しんだこの街で、一人ひとりに寄り添う医療を続けていきたいですね。 ____最後に、この記事をお読みの患者さまへメッセージをお願いします。 皮膚の症状は、人に見られることと結びつくため、想像以上に心を疲れさせます。小さなことのように思えても、気になり始めたら遠慮なくご相談ください。診察では、必要な説明を過不足なく、分かりやすい言葉でお伝えします。触れるべきところは丁寧に触れ、不要な負担はかけません。治療は「一緒に進めるもの」です。日々の生活の中で実行しやすい方法を、患者さまと相談しながら選んでいきます。「手当て」という言葉のとおり、そっと手を当てるところから。お一人で抱え込まず、どうぞ気軽にいらしてください。
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